子どもの心と体の健全な発育のため、体を動かす習い事は大切です。しかし、何をやらせたら良いものか、、、と選び方がよく分からないのではありませんか?さらに、いざ始めても子どもに合わなかったりすると辞めたいということもあるかも。今回はそんなお悩みに応えるべく、体を動かす習い事に焦点を当て、習い事の選び方から辞め方までの考え方を解説していきます。
<各年齢に人気の習い事はこちら>
体を動かす習い事をする目的は人生の選択肢を広げること
初めに、体を動かす習い事を子どもにさせる理由は何でしょうか?
「ママ友が自分の子どもにやらせていておすすめされたから」、「近所でたまたまやっているから」、「自分が子どもの頃にやりたくてできなかったから」、「健康な体を手に入れて欲しくて」など、様々な理由が考えられます。
または、親の悩みについてをまとめた記事で述べたように、「子どもが画面に集中する時間が長すぎるから」、かもしれません。
これらはたしかに大事なこと。ただし、習い事をする大きな目的は、「子どもの人生の選択肢を広げる」ことにあります。家庭における教育は子どもにとって重要ですが、親御様は一人の人間でしかありません。そのため、教えられることにも限界があります。
特に、スポーツを親御様が教えることはなかなかできませんよね(-_-;)
そこで、親に代わって、世の中にはこんな楽しいことや熱中できることがあるんだよ~と子どもに知ってもらうのが、スイミングや体操などの体を動かす習い事です。
運動の醍醐味は楽しみながら自分の能力をひたすら高めたり、チームワークを養えること。さらに、世の中の幅広い物事を親以外から教えてもらうことで、偏った教育になることを予防し、子どもが将来どんなことをしようかな~とワクワクすることができます。
加えて、体と脳は密接に結びついているので、脳の発達にも大いに役立つことが知られています。極端に言えば0歳児から家ではできないような動き(スイミングなど)を体験させておくことも、成長の促進に大いに影響します。
習い事を見学したり体験後は子どもの興味の本質を聞いてみよう
そして、色々な運動の見学や体験をさせて、何に興味があるか聞いてみましょう。興味があることの本質を子どもから聞き出すことで、他の習い事を決める時の指針にできたり、後々辞める時の対応にも役立ちます。興味があることについて会話するときの例は次のような感じです。
この子は、友達に喜んでもらえることに最大の喜びを感じているということが分かります。その場合、サッカー以外の習い事を試すとしたら、集団でのダンス発表のあるダンス教室やバスケットボールがいいかも。
反対に、職人さんのように自分の世界で一つの事を究めることが好きな子もいます。その場合は、スイミング、武道やピアノが合う可能性が高いです。
そして、例えば将来は水泳選手になりたい!と言っても否定しないほうが良いです。
たとえ「食っていけないかもよ」等、言いたいことがあったとしても、親は子どもの最大の理解者でなければいけないので、全力で応援してあげてください。
また、水泳選手になるくらいなら、プロ野球選手を目指してほしいな~などという親の気持ちで子どもを誘導することもNG。なぜならば、習い事の目的は、子どもが興味を持てることを見つけて人生の選択肢を広げることだからです。
せっかく興味を持ったことは否定しないようにしましょう。
ただし、水泳だけでなく勉強習慣もしっかり身に着けさせておき、将来何にでもなれる素養を養っておくことも大切。
このあたりは勉学系の習い事の記事を作ったときにまとめます。
- 対象年齢に合った習い事を色々と体験させよう
- 興味を持った習い事は何故興味を持ったのか詳しく聞いてみましょう
- 子どもが興味を持った習い事は全力で応援しましょう
習い事の目標はそれぞれで違う
子どもに習い事をしてほしい親の思惑は一旦置いておき、子ども自身が習い事をする目標はなんでしょうか。
これは、子ども自身に問いかけてみてください。
おそらく、的を得た回答は帰ってこないと思います、それでも、問いかけた時点で特になくても、人間は質問されたら思考力が働いて一生懸命回答しようとします。
そして、「強い体を手に入れたい」「友達と仲良くなりたい」「○○くんより上手になりたい」「試合に勝ちたい」「優勝したい」「皆と同じ経験をしたい」「強い人と戦いたい」「将来オリンピックに出たい」など様々な目標が考えられます。
このように、それぞれのお子様ごとに目標は違うはずです。それにも関わらず、最初の目的は「強い体を手に入れたい」だったはずの子が、「大会で優勝したい」という子の練習を目の当たりにして、打ちのめされてしまうということが起こりえます。
これでやる気を失ってしまっては元も子もありません。目標の違いをきちんと理解させて、周りと違ってもいいんだよ、自分のことに集中したらいいんだよと教えてあげてください。
重要なのは自分自身の目標であることを幼児期から理解しておくと、むやみやたらに他人と競い合う(いわゆる、マウントを取りたがる)ような子になりにくくなります。そして、習い事を始めたときの好き・楽しいという気持ちの本質をときどき思い出させてあげましょう。
その土台がしっかりしていれば、急にやる気を失ってしまうということが起こりにくくなります。
- 習い事をする目標を明確にしよう
- 目標は皆それぞれ違う。自分自身の目標を意識させてあげよう
目標設定と習い事の選び方のポイント
やる気の”基”となる好き・楽しいの本質を見極める
新しい事を習うとき、大抵は次のようなことの繰り返しになります。
このように、習い事は数あれど、このようなプロセスに集約されます。この中で、どの過程を重視するかが重要。重視する過程を見極めるためには、その子の好き・楽しいの本質であったり、習い事をする目標を明確にしておくことが大切です。
それぞれの習い事と目標の例
例えば、個人の能力がものをいう水泳や陸上はとにかく練習で強い体にしていきます。
この場合は、健康で強靭な体を手に入れるという目標であれば合致します。
一方、チームスポーツは個人の体がいくら強くても、周りと連携しなければ試合で勝てません。
そのため、実際の試合をイメージした動きを繰り返し合わせていく必要があります。
周りと協力して何かを成し遂げることが好きな子や、チームワークを養いたい子にはとても向いた種目です。
一方、学校で必修となったこともあって最近人気のダンスは振付を覚える(見て習う)という暗記的な要素が強く入っています。暗記したものを自分の体で表現するということはとても高度な技です。ダンスは振付を覚えることが目標ではなく、人前で踊って評価してもらうことがゴールでしょう。
そのため、自己表現を複数の人の前でする練習をしたいという目標であれば、とても適した習い事となります。
このとき、ダンスは振付を覚えることがゴールではないはずなのに、覚えたら満足してしまう子がいます。これではもったいないので、子ども自身の目標をさらに先のところへ設定するように親子で話してみると良いです。このように、目標と選んだ習い事の特徴が一致していると、目的が明確になり、モチベーションを維持しやすくなります。
送迎時の声かけで習い事の効果アップ
子どものやる気を維持しつつ、習い事の効果を最大限得るためには、送迎時の声掛けが有効です。
具体的には、
(送るとき)「今日はどんなこと新しいことをできるようになるの?」
(お迎えのとき)「今日はどんな収穫があった?」
など、今日の習い事の予習復習をさせてあげましょう。このときの質問方法はYES/NOで答えられる質問ではなく、答え方が複数通りある質問(いわゆるオープンクエスチョン)がベスト。このたった一言で、習い事の効果が大幅アップ!
やる気のでない日もあって当然
お子さんが、どうしてもやる気が出ないという日、いつかはあります。お子さん自身も言葉にはできないものの「なーんか体を動かしたくないなー。話も頭にはいってこないしなー。でも、周りの期待に応えるためにやらなきゃ。でも。。。」という葛藤の真っ最中。そんな時に、「はやく動きなさい!」「なんでぼーっとしてんの!」と怒られたらつらい気持ちになりますね。
やる気のでないとき、いくら頑張ってもやる気は出てきません。なぜならば、やる気というものはすり減っていくから。最初は意気込んでいた事柄も、時間と労力をかけていくと、やがてやる気がすり減ってなくなってしまいます。最初のマックスのやる気を維持できるわけがないのです。
つまり、誰でもやる気のない日があって当たり前。そんなお子さんの気持ちを理解してあげて、精一杯寄り添ってあげてください。ただし、やる気がどうしても出なくて習い事に行けなかったとしても、簡単なことで良いので、何かしら形だけでもすると良いです。
ダンスだったら、基礎のステップを1分だけやるとかです。
それだけでも習慣としてやっておくと、また動き出すまでのハードルがぐっと下がりますよ。
- やる気が出ない日もあって当たり前。子どもの気持ちに寄り添ってあげよう。
- 習い事に行けない日は1分でも良いので家で何かやってみよう!
習い事を辞める時の理由別注意点
やる気がどうしても復活せず、習い事を辞めたくなることもあるでしょう。習い事を辞めることは決して嬉しいことではありませんね。しかし、ここを次のステップに移行するために必要なことだとポジティブにとらえ、子どもの負担にならないように気を付けましょう。
辞める理由は次の3パターンに分類できます。
- 習い事の目標を達成したとき、引っ越し等の家庭の事情
- お子さんがやる気を失ってどうしようもないとき、明らかに嫌がっているとき
- 友達と馬が合わない、先生がこわいなどの人間関係
それぞれの場合に、気を付けるべきことを考えてみましょう。
習い事の目標を達成したとき、引っ越し等の家庭の事情
この場合は、お子様の気持ちの整理するためのコミュニケーションをとってあげれば特に問題ありませんね。悩むのは他の理由で辞めたくなってしまった場合かと思います。
お子さんがやる気を失ってどうしようもないとき、明らかに嫌がっているとき
結論から言えば、辞めてしまって大丈夫。先ほど述べたように、やる気はすり減るので、モチベーションは徐々に落ちていくものです。しかし、習い事に行きたくないほどやる気が低下し、しかもなかなか戻ってこないようなら、続けていても意味がありません。それならば、別の好き・楽しくなれることを見つけることに力を注いだ方が今後の人生の糧になります。
友達と馬が合わない、先生がこわいなどの人間関係
このパターンも意外とありがち。先生や友達とうまくいかないのであれば、その習い事は辞めてしまった方が後々の後悔は少ないように思います。そして、どんな雰囲気が嫌だったのかを子どもの会話から引き出し、次はそうではないような教室に連れて行ってみればよいのです。
でも、何度も点々と教室を変えるのも好ましくはありません。そんな時は、その子が好き・楽しめそうという本質を思い出してあげて、それを最大限味わえそうな場所を探す努力が必要。
親御様の根気強さが求められますが、無理のない範囲で情報収集に奔走しましょう。
- 辞めたいなと思ったら辞めてしまった方が後悔しないことが多い
- 気持ちを切り替えて、子どもの本質に合っていそうな習い事を見つけてあげよう
子ども本位に考えれば間違いない
体を動かす習い事をする目的と狙いおよび選び方と辞め方を解説してきました。全てに共通するのは、子どもの気持ちを最大限尊重すること。これは意外と難しいことで、親は意外と自分の考えと違う子どもの考えは無意識に無視してしまうことがあります。子どもの話をありのままに受け取るには「傾聴」というコミュニケーション方法が有効です。詳しくは厚生労働省のサイトをご参照ください。この記事を参考に、それぞれの子どもの特徴に合った習い事を選んであげましょう。